自治体のイノベーションはここにある 四條畷市東修平市長@HOLGオンラインサロン

今回の学び

・自治体の働き方改革とは「成果の定義」である。
・試行錯誤しながら定めた成果を、ちゃんと測定しないといけない。
・それにより初めて効率化ができるようになる。
・効率化は人口減少社会に対応していくために必要となるイノベーションを起すためのもの。
・自治体のイノベーションは影響が大きい。だからこそ説明責任が大事。
・説明責任は口先ではない。どれだけ考えたかの思考の量こそが説明責任。

地方自治体の”生産”ってなんだろう?

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「月残業100時間制限」「有給付与義務化」など様々な関連ニュースも続き、
働き方改革は議論を呼びつつも定着した言葉になってきましたね。

働き方改革はほとんどの文脈で「生産性」という言葉とセットになっています。

この生産性という言葉、工場なら「一日いくつ」という形で把握できるわかりやすい言葉ですが、
オフィスワークが中心になった現代ではなかなか厄介な言葉です。

それでも民間企業であれば売上=生産、ということは納得されやすいかもしれませんね。

では、地方自治体の「生産」とはなんでしょう?
案外難しいと思いませんか?

東四條畷市長のお話@HOLGオンラインサロン

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ヒーローの産み方 〜生駒市長@HOLGオンラインサロンから考える〜でご紹介した、
地方公務員向けオンラインサロンの講演で、四條畷市東修平市長のお話を聞くことができました。

四條畷市は自治体の働き方改革で有名な自治体です。
東市長は現役最年少の市長さんで、多くの全国初の取り組みを行ってらっしゃいます。

HOLGに東市長さんのインタビュー記事があります。
より詳しく知りたい方はこちらへ。

https://www.holg.jp/interview/shuheiazuma/

東市長はロジカルで明確な視点のキレッキレの方でした!

地方自治体における働き方改革とは

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・地方自治体にとっての民間の”売上”にあたる部分は「市民サービスの総量」である。
→働き方改革は、それを効果的・効率的に実現するためのもの
・地方自治体で働き方改革が必要な理由は人口減少社会の到来。
これからは人口やお金が減っていくので、行政サービスの取捨選択が必ず必要。
その中で市民サービスの総量を最大化するためには、コスパを良くしていかないといけないということ。
・働き方改革の中で考えるべきことは、
①行政がやらないとできないことか(企業やNPOなど他のリソースはないか)
②誰のためにやっていて、どれくらいのコスト(時間・お金)をかけるのか
③対象の人がちゃんと利益を受けているか、目標達成につながっているかを測定できているか
・”会議時間の短縮”のような小手先にならないためには、職員の腹落ちが大事。
→それがなく目先の目標を作ると、持ち帰りで目標達成など別の形で実現したりしてしまう。
・マインドセット=腹落ちのためには、そのための研修を根気よくやることと、実際に取り組むこと。
・自治体の課題は他で解決できなかった難しい課題。だからそこに向かい合える時間を作る必要がある。

今の公務員に求められること

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1多くの仲間と連携してサービスを提供できること
・四條畷市で実現した窓口証明書発行のキャッシュレス化は職員の発案
・同じく採用面接のオンライン化も職員の発案
・発案があったものを国や民間企業を巻き込みながら低コストで実現した。
・アイデアの種はみんなに埋まっている。出てきたら色んな仲間に声をかけて進めること
2説明責任をしっかりと果たすこと
・行政サービスはこれから取捨選択せざるを得ない。ならば説明が重要。
・財政的にできないなんてことは存在しない。あくまで優先順位があるだけ。
→優先順位を市民に説明して理解をいただけるかどうかが重要。
→本当に説明できないなら、それは優先順位を付けた意思決定に問題がある。
・説明を本当に尽くせば、希望に添えなかった市民にも真摯さは伝わる。
→次回からも味方になってくれる

地方自治体の成果というもの

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お話を伺って共感したのは「なんのために仕事をしていて、どういう成果が必要なのか」をはっきりしようという姿勢です。

民間企業であれば利益、NPOであれば社会課題の解決などある程度わかりやすい目的性はあって、
そのための指標もある程度はっきりとあります。
(もちろん程度問題で企業や団体によりますが)

だからこそ「生産性」という言葉は意味を持ちます。

しかし、行政の場合は定量化された成果が非常に設定しづらいです。
さらにQAで東市長さんもおっしゃっていましたが、
部署ごとにまるで違う業務を行っており、一律の判断基準を作ることは現実的ではありません。

そんなふわふわした「行政の目的と成果」をきっちり定義していこうという動きが、
東市長のおっしゃる働き方改革の本丸なんだと思いました。

そうすることによって初めて「どうやったら効果的なのか、無駄にならないのか」「効率的な手法は?」
という話ができるようになります。

イノベーションを自治体で起こすということ

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もう1点大事だと感じたのは、自治体にはイノベーションが求められているということです。

働き方改革の目的として、「民間でもNPOでも解決できなかった課題を解決するための時間を作らないといけない」というお話がありました。

さらに、これからは人口もお金も減っていく中で市民サービスの総量を最大化しないといけないというお話もありました。

これは自治体に新しい解を見つけること=イノベーションが求められているということです。

働き方改革を実施して余裕を作って新しい解に向かい合う、これもイノベーションを起こす方法の一つだったりします。
有名なのはgoogleの20%ルールで、勤務時間の20%を通常の業務から離れたことをおこなってよいとすることで、イノベーションが生まれる環境を作っています。

今の公務員に求められるもので触れられた「多くの仲間と連携していくこと」もそういう文脈だと感じました。

ただ、一方で自治体のステークホルダー(利害関係者)は幅広く、イノベーションが起こることへの影響も非常に大きいです。
それがよい変化であったとしても、必要な変化であったとしても、自分のためにはならないと思う人はいます。

だからこそ、最後に自治体職員に求められるものとして説明責任が大事だと述べられたのではないでしょうか。

この説明責任も「説明の上手さ」を指しているものではありません。
説明できるだけの多くの思考を重ねた政策を立案し、そうであること説明すべきだという重いものです。
説明の現場でどう話すかではなく、どれだけの思考を重ねた施策なのかを説明すると考えると重みがわかります。

まとめ

・自治体の働き方改革とは「成果の定義」である。
・試行錯誤しながら定めた成果を、ちゃんと測定しないといけない。
・それにより初めて効率化ができるようになる。
・効率化は人口減少社会に対応していくために必要となるイノベーションを起すためのもの。
・自治体のイノベーションは影響が大きい。だからこそ説明責任が大事。
・説明責任は口先ではない。どれだけ考えたかの思考の量こそが説明責任。

こうしてまとめると、東市長さんは働き方改革という言葉で
・自治体の成果指標という根源的かつ過去から繰り越されてきた課題
・人口減少社会へ対応するための自治体のイノベーションという未来の課題
双方に対処されようとしているんだなと思います。

考えさせられる講演で非常に興味深かったです。
行政の成果指標、考えると面白そうです。

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